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執筆者の写真仲宗根 隼人

雇用保険 求職者給付

更新日:7月31日


雇用保険 求職者給付

 一般的に、「失業手当」と呼ばれることも多い雇用保険の給付。正しくは求職者給付という名称で、その種類も複数あります。人事担当者は、社員が離職する際に求職者給付に関する相談を受けることも多いでしょう。給付の種類と、基本的な要件を把握しておくことは労務管理上大切です。


 求職者給付の種類は以下のとおりです。

 ①一般被保険者

  (1)基本手当

  (2)技能習得手当(受講手当、通所手当)

  (3)寄宿手当

  (4)傷病手当

 

 ②高年齢被保険者

  (1)高年齢求職者給付金


 ③短期雇用特例被保険者

  (1)特例一時金


 ④日雇労働被保険者

  (1)日雇労働求職者給付金


 このうち、労務管理実務の中心を占めるのが、①一般被保険者の(1)基本手当です。基本手当は、一般被保険者が離職し、失業していることについて認定を受けた日に支給されるものです。一般的に「失業保険」「失業手当」と呼ばれるものです。


 基本手当を受給するための要件は、算定対象期間(原則として離職の日以前2年間)に、被保険者期間が通算して12か月以上あることです。算定対象期間と被保険者期間は、似たような言葉のため混乱しやすいです。


 算定対象期間とは、原則として会社を退職した日から遡って2年間の歴月を指します。例外的に、事業所の倒産や事業主都合の解雇によって離職した者は、離職の日以前1年間になります。特定理由離職者又は特定受給資格者といいます。


 被保険者期間とは、被保険者であった期間(雇用保険の資格取得をしていた期間)のうち、賃金の支払いの基礎となった日数が11日以上である期間又は賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上である期間のことをいいます。

 

 「被保険者期間」と「被保険者であった期間」も意味は違います。基本手当を受けるための要件としての被保険者期間は、一定数以上の賃金支払基礎日数が必要となるのに対して、「被保険者であった期間」は、賃金支払いの有無を問いません。

  

 被保険者期間の計算方法は、離職の日から遡って1か月ごとに区切っていき、区切られた1ヵ月の期間に、賃金支払い基礎日数が11日以上あるとき、その期間を被保険者期間1ヵ月としてカウントします。喪失応答日方式といいます。月の途中に退職した場合は、少し計算がややこしくなります。


 このように喪失応答日で計算していき、1ヵ月未満の期間が生じる場合、その期間が15日以上であって、賃金支払い基礎日数が11日以上ある場合は、その期間を2分の1ヵ月として計算します。


 被保険者期間のうち、未払い賃金がある場合でも、賃金計算の基礎となる日数が11日以上あれば、その月は被保険者期間に参入されます。また、家族手当や住宅手当などの支給が1ヵ月分満額支給される場合でも、基本給などの本給が11日分以上支給されない場合には、その月は被保険者期間に参入されません。


 深夜労働を行った場合、深夜労働に従事して翌日にわたり、かつ、その労働時間が8時間を超える場合には、2日としてカウントします。深夜労働が翌日にわたったとしても、労働時間が8時間を超えない場合には1日としてカウントします。


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雇用保険 求職者給付について、沖縄県那覇市の社会保険労務士、仲宗根隼人が解説しました。雇用保険について、アクティア総合事務所にお気軽にご相談ください。

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