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  • 執筆者の写真仲宗根 隼人

労災保険法 療養(補償)等給付

更新日:5月2日

 

労災保険法 療養(補償)等給付

 仕事中にケガをしたり、疾病にかかって療養が必要となった場合、保険者(国)から費用が支払われます。労災保険では、業務中の傷病等の他、通勤中の災害も保険給付の対象ですが、手続き上、業務上の傷病等に対する給付を「療養補償給付」といい、通勤災害に対する給付を「療養給付」と区別されます。どちらも、病院で療養を受けることができるという意味では同じですが、労災保険法上は別の手続きであって、申請書類も違います。労災保険の実務にあたる人事担当者は知っておく必要があります。労働局や病院に申請書類を提出したものの「この書類では給付できない」となることがあります。


 療養(補償)等給付には、「療養の給付」と「療養の費用の支給」があります。前者は、労災指定病院で療養を受けた場合、無料で治療を受けることができる現物給付です。労災指定病院とは、都道府県労働局長に指定されている医療機関で、労災保険を利用した治療に対応することができる病院です。医療機関からの申請を受け労働局長が行うもので、世の中の全ての医療機関が労災指定病院になっているわけではありません。

 労災指定病院以外の医療機関では、労災保険を利用した療養を受けることができません。ですが、ケガをした場合、一刻も早く病院へ行く必要があることがほとんどです。労災指定病院でない医療機関で療養をうけた場合は、一旦医療費を全額負担し、後日保険給付の申請を行い、現金で給付を受けることができます。これが「療養の費用の支給」です。


 「療養の費用の支給」では、後日現金として戻ってくるとはいえ、窓口で医療費全額を支払うことは、労働者にとって結構な負担になります。最寄りの労災指定病院を把握しておくことは、労務管理上大切なことです。また、被災して療養を受けた労働者が、医療機関で労災であることを申告せず、加入している健康保険を利用して受診した場合は、払い戻しの請求など、少し煩雑な手続きになります。特に、病院は月ごとで計算を締め切ることがほとんどですから、月をまたいで遡って労災保険の適用を申請すると、もっとややこしいことになってしまいます。日頃から労災を防ぐ努力はもちろん重要ですが、災害が起きてしまった場合、どのような行動をすべきかということも指導しておく必要があります。


 実務上、労災が発生した場合、急いで病院へ行ってもらいます。最優先なのは従業員の生命、身体の保護です。駆け込んだ病院が労災指定病院である場合、窓口で労災であることを申告して治療を受けます。この際、病院の窓口職員から「療養の給付の請求書を提出してください」と言われることがほとんどです。この請求書は、正式名称を「様式第5号 療養補償給付及び複数事業労働者療養給付たる療養の給付請求書」といいます。一般的に「5号様式」と呼ばれるもので、会社の情報や労働保険番号、災害の発生状況などを記入するものです。治療を受けたその場で即座に提出することは難しいですから、人事担当者に作成してもらい、後日提出することを告げることで、窓口負担はなく療養を受けられることがほとんどです。

 駆け込んだ病院が労災指定病院でなかった場合でも、労災であることを告げます。この場合には、窓口負担は10割の全額を一旦支払います。後日、国に療養の費用を請求するには、「療養補償給付及び複数事業労働者療養給付たる療養の費用請求書(様式第7号)という書類を作成します。通称「7号様式」といいます。7号様式には、さらに治療を受けた機関別に様式が分かれています。

 ・様式第7号(1)医療機関

 ・様式第7号(2)薬局

 ・様式第7号(3)柔道整復師

 ・様式第7号(4)はり師・きゅう師、あん摩マッサージ指圧師

 ・様式第7号(5)訪問看護事業者

 

 作成した7号様式に、負担した医療費の領収書を添付して会社を管轄する労働基準監督署に提出します。申請内容に不備や疑義等がない場合、4週間程度で入金されることが多いですが、管轄窓口の混雑状況などにより前後します。


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労災保険法 療養(補償)等給付について、沖縄県那覇市の社会保険労務士、仲宗根隼人が解説しました。労災保険に関するご相談は、アクティア総合事務所にお気軽にお問い合わせください。

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