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出産に関する給付について(社会保険編)

執筆者の写真: 仲宗根 隼人仲宗根 隼人
出産に関する給付について(社会保険編)

 一般的に、「産休」と呼ばれる期間にお休みする場合、社会保険の被保険者なのか、雇用保険に一定期間加入しているかによって、受けられる給付が異なってきます。本記事では、社会保険の被保険者が受けられる給付について解説します。


1. 出産育児一時金

 出産育児一時金は、出産にかかる費用のための給付金です。被保険者(健康保険に加入している方)またはその被扶養者が出産した場合に支給されます。保険者から医療機関へ直接支払われる制度があるため、被保険者は出産に係る費用を用意する必要がありません。


支給額

  • 令和5年4月1日以降の出産の場合

    • 産科医療補償制度に加入の医療機関で出産:1児につき50万円

    • 未加入の医療機関で出産:1児につき48.8万円

  • 双子など多胎児の場合

    出産育児一時金は胎児の数に応じて支給されます(例:双子なら2人分)。


対象となる出産

妊娠85日(約4か月)以降の出産、死産、流産、人工妊娠中絶も対象となります。



2. 出産手当金

出産手当金は、出産前後に仕事を休んだ際の生活を支えるための給付金です。こちらは、出産する方が健康保険の被保険者であることが要件ですので、被扶養者の場合は対象外です。


支給条件

  • 被保険者が会社を休み、報酬が支払われない場合

  • 出産予定日42日前(多胎妊娠の場合は98日前)から出産後56日までの休業期間が対象

支給額は次の式で計算されます


【直近12か月間の標準報酬月額の平均】 ÷ 30日 × 2/3


例:標準報酬月額30万円の場合

  • 日額:30万円 ÷ 30日 × 2/3 = 約6,667円

  • 42日分の場合:6,667円 × 42日 = 約28万円

※給与が一部支払われている場合、出産手当金との差額が支給されます。


3. 出産予定日が早まった場合や遅れた場合の取り扱い

出産予定日より早まった場合

 出産手当金の支給期間は、出産予定日42日前(多胎妊娠の場合は98日前)から出産後56日までの範囲です。実際の出産日が予定日より早まった場合でも、出産日から56日間分の手当金が支給されますので、受けられる給付が少なくなることはありません。

出産予定日より遅れた場合

 出産予定日より遅れて出産した場合、予定日から出産までの日数分も支給されます。たとえば、予定日より4日遅れた場合は、その4日分も加算されます。結果的に、出産日が遅れた方が給付金は多くなることになります。

(例)

  • 出産予定日:2025年2月1日

  • 実際の出産日:2025年2月5日(4日遅れ)

    → 支給対象期間は「2024年12月21日(予定日42日前)」から「2025年4月1日(出産日翌日56日後)」までの範囲となり、4日分も含まれます。


4. 出産費用が支給額を超えた場合・余った場合

  • 出産費用が出産育児一時金の範囲内なら、差額を協会けんぽに請求できます。

  • 出産費用が超過した場合、その差額を医療機関に支払います。


まとめ

 出産育児一時金や出産手当金は、出産に伴う経済的負担を大きく軽減できる重要な制度です。事前に必要な手続きや医療機関での確認事項を把握しておくと安心です。出産に関する給付について(社会保険編)について、沖縄県那覇市の社会保険労務士、仲宗根隼人が解説しました労務管理について、アクティア総合事務所にお気軽にご相談ください。

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