地域雇用開発助成金は、特に雇用情勢が厳しい地域において、事業所の設置や事業のための設備投資を行いつつ、当該地域に居住する求職者を雇用(一定の要件があります)した場合、支給の対象となるものです。沖縄県は、この対象地域とされています。投資の金額と、雇用する人数に応じて助成金の額が定められています。下記の表の金額が1年ごとに3回支給されます。
※中小企業の場合、初回の支給時に上記の額の2分の1が上乗せされます。
例えば、これから事業を行う人が300万円以上支出し、2人雇用した場合は初回に100万円、雇用を維持していればさらに1年後に50万円、その1年後に50万円という具合です。
支給申請までの流れは、概ね以下の通りです。
①計画書の提出
→事業や雇入れ等を記載します。提出日以降の支出と雇用が支給要件の基礎になります。
②事業所の設置または整備
→この助成金では、対象経費の要件をあらかじめ調べておくことがとても重要です。事業のため、300万円以上の費用支出が条件です。経費には、工事費や購入費など、対象となるものと対象外が細かく定められています。販売する商品の仕入や不動産登記手数料、仲介手数料などは対象になりません。また、動産の場合は、1点の支払額が20万円以上とする要件もあります。
③対象地域に居住する労働者を雇用
→3人以上雇用※することが要件ですが、創業の場合は特例的に2人以上の雇用で足ります。対象労働者にも要件があります。
(1)雇入日又は異動日の時点で対象地域に居住している
(2)ハローワーク等からの紹介によること
(3)雇用保険の被保険者となること
(4)当該助成金の受給後も継続雇用の見込みがあること
(5)雇入後、設置・整備を行った事業所で働くこと
(6)過去3年間に同一の事業主の事業所で就労したり職場適応訓練を受けたりしたことがない
(7)過去1年間に資本的・経済的・組織的に関連のある事業所に雇用されていたことがない
(8)事業主と3親等以内の親族でない
(9)公の施設の管理を行うために雇い入れられた求職者でない
※単に雇入れた人数ではなく、雇用保険の被保険者数が増加していることが要件です。新たに3人雇用しても、従前から雇用する労働者が3人退職している場合、本助成金の要件上の雇用人数はゼロになります。
④完了届の提出(第一回支給申請)
→計画の提出日または計画日から18か月を経過する日が、この事業の完了日になります。但し、18か月を経過する前に支出と雇用が完了していれば、その日を完了日として支給申請することができます。申請後、実地調査が行われ、設備や動産の存在が確認されるほか、労働関係帳簿の確認がなされます。
⑤二回目の支給申請
→完了日から1年間、雇用保険の被保険者数の維持等が要件です。
⑥三回目の支給申請
→二回目の支給申請と同様の要件です。
大きな要件と流れは以上のとおりです。この助成金は対象経費と対象労働者の要件を正しく理解することが重要です。また、併給調整の定めもあり、以下の助成金を受給している場合には本助成金は申請できない場合があります。
・雇用調整助成金(休業・教育訓練、出向)
・産業雇用安定助成金(出向元 出向運営経費、出向元 出向初期経費)
・通年雇用助成金(新分野進出)
・両立支援等助成金(事業所内保育施設コース)
・人材確保等支援助成金(介護福祉機器助成コース、作業員宿舎等設置助成コース)
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地域雇用開発助成金(雇用開発コース)について、沖縄県那覇市の社会保険労務士、仲宗根隼人が解説しました。助成金申請は、アクティア総合事務所にお気軽にご相談ください。
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