健康保険から保険給付を受けることができるのは、被保険者だけではありません。その者によって生計を維持されている被扶養者にも同様に保険給付がなされます。
被扶養者の範囲は、大きく分けて2つのグループに分かれます。
①主として被保険者によって生計を維持していればよい者
②主として被保険者によって生計を維持し、かつ、その者と同一世帯に属している者
「主として被保険者によって生計を維持」とは、被保険者の得る収入によってその人の主な暮らしが成り立っていることをいいます。
「同一の世帯に属する」とは、被保険者と住居及び家計をともにすることをいいます。この場合、必ずしも同一戸籍内にあることは要せず、また、被保険者が世帯主であることも要しません。以下の場合には、同一世帯に属するものと認められています。
(1)転任に伴い新任地における住宅事情のため2~3ヶ月別居している場合
(2)被扶養者が病気のため入院している場合
(3)被扶養者が一定の施設などに入所している場合
被扶養者の範囲は、次の者で日本国内に住所があるか、日本国内に生活の基礎があると認められる者です。
①生計維持関係のみ
(1)被保険者の直系尊属(父母、祖父母、曾祖父母)、配偶者(事実婚を含む)、
子、孫、兄弟姉妹
②生計維持及び同一世帯
(2)(1)以外の3親等内の親族
(3)事実婚の配偶者の父母及び子
(4)(3)の配偶者の死亡後のその父母及び子
なお、日本国内に生活の基礎があるとは、次のように厚生労働省令で定めています。
(1)外国において留学をする学生
(2)外国に赴任する被保険者に同行する者
(3)観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航す
る者
(4)被保険者が外国に赴任している間に当該被保険者との婚姻や出生などの身分関係
が生じた者
(5)上記のほか、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認
められる者
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健康保険における被扶養者の範囲について、沖縄県那覇市の社会保険労務士、仲宗根隼人が解説しました。健康保険・厚生年金について、アクティア総合事務所にお気軽にご相談ください。
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