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  • 執筆者の写真隼人 仲宗根

健康保険法④ 被保険者(1)

更新日:2023年12月24日

 健康保険の適用事業所に使用される者であって、適用除外者以外は被保険者の資格を取得します。「使用される」とは、雇用契約締結の有無にかかわらず、事実上の使用関係があれば足ります。なお、法人の役員は報酬を得ている場合被保険者の資格を取得します。これに対して、個人事業の経営者は被保険者の資格を取得することができません。

一般的にいわれる実習や見習社員、試用期間であっても、事実上の就職と解される場合は被保険者資格を取得します。「入社後2ヶ月は試用期間だから、社会保険に入るのは3か月目から」という扱いを聞くことがありますが、これは適切ではありません。


 近時の法改正では、社会保険の適用範囲が拡大しています。社会保険の資格取得をする者は週40時間のフルタイム社員や、週30時間以上で働くパート社員という認識の事業者は多いと思います。小規模な事業者はその基準で取り扱いして問題ありませんが、一定規模以上の事業所では、その基準とは異なります。


 常用労働者数(フルタイム社員、週所定労働時間がフルタイムの4分の3以上の者)が101人以上の事業所は、以下の要件に該当する短時間労働者も社会保険の資格取得対象になります。特定適用事業所といいます。

 ①週の所定労働時間が20時間以上

 ②賃金月額が88,000円以上

 ③雇用期間の見込みが2ヶ月を超えるもの

 ④学生でないこと


 この特定適用事業所はさらに拡大される見込みで、2024年10月以降、上記の常用労働者数が51人以上にまで拡大されます。事業主は、特定適用事業所に該当するに至った場合、その事実が発生した日から5日以内に特定適用事業所該当届を所轄年金事務所に届出る必要があります。


 特定適用事業所に該当しているにもかかわらず、放置し、対象となる短時間労働者の被保険者資格の取得をしていなかった場合、年金事務所の調査等で明らかになると、全て事実が生じた日に遡って被保険者の資格取得をすべき旨の処分が下ります。この場合は、本人負担分もすべて一旦事業主が納める必要があります。本人負担分を遡って本人から徴収することはできますが、長期間にわたっていたり、金額が大きくなっている場合、現実的には本人負担相当を徴収することは非常に困難になります。

 

 現在、社会保険に加入している従業員数が50人程度の事業者は、2024年10月からは、週20時間のパートスタッフも社会保険に加入させることになります。改正に備えておく必要があります。

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